■ JR九州の自動放送 <汎用・少数・分散型> |
--はじめに--
ここでは九州内で使用される放送の、汎用型および少数型・分散型を紹介します。
シリウスやジャクロスのPTCタイプに対し、このページで紹介するものは、一部区間で集中して導入されていたり、地方都市に分散化していたり様々です。
放送の内容や声・ベル・組み合わせ等々が、現在の普及しているものと大きく異なり、国鉄時代を彷彿させるものです。
順次、放送の入れ替えと共に、消滅が考えられるものたちです。
▼ 九州汎用型放送 | |
・本サイトでの略称-「汎用型」
「汎用型」放送の概要 | |
・構成 | ベル+フレーズ |
・行程 | 電子ベル+まもなく列車が参ります。危ないですから、黄色い線の内側へおさがり下さい。 |
・凡例 | type-A:電子音 男性 女性 (鹿児島本線時代の低速ver.:男性 女性 現在使用駅未確認) type-B:カラカラベル 男性 女性 |
・主な駅 | type-A 神崎 伊賀屋 鍋島 久保田 type-B 長者原 波多江 肥前麓 など |
・説明 | 男性・女性共に声優不明。 導入時期も不明であるが、「九州広域」放送の前身がこの形。 鹿児島本線では「九州広域」放送が導入される2002年まで、ほとんどこの放送だったが、再生スピードが遅かった。 以降、長崎本線を中心に「type-A」、福北ゆたか線を中心に「type-B」の導入が進み、地方の新駅やジャクロス未導入区間はほとんどこの放送が導入されたが、やっぱり再生速度は駅によってバラバラ。 放送は接近のみの簡易的なもので、通過放送はない。基本は男性が上り、女性が下りホームを担当するが、折り返し時などは例外も発生する。 2011年現在では、「type-B」の新規導入が衰退し、「type-A」または「カンノ型」への変更や導入が行われているが、まだまだ分布エリアは非常に多い。 |
▼ 肥後型放送 | |
・本サイトでの略称-「肥後型」
「肥後型」放送の概要 | |
・構成 | ベル+フレーズ |
・行程 | カラカラベル+まもなく列車が参ります。危ないですから、白線の内側へおさがり下さい。 |
・凡例 | 男性 女性 |
・主な駅 | 荒木 荒尾 玉名 長洲 など |
・説明 | 導入時期は不明であるが、「ベル」や「踏切」のみだった駅が導入したものではなかろうか。 鹿児島本線の荒木以南で確認しています。また、鹿児島本線以外使用確認は無く、同線の熊本県内での使用が限られています。 近年の「汎用型」放送や「九州広域」放送の普及により、入れ替えが進んでおり、消滅傾向にあります。 放送は接近のみの簡易的なもので、通過放送はない。基本は男性が上り、女性が下りホームを担当するが、折り返し時などは例外も発生する。 再生速度はほぼ一定だが、ベルの音色が“カラカラ”だったり“パタパタ“だったり駅によって異なる。 |
▼ 日豊型放送 | |
・本サイトでの略称-「日豊型」
「日豊型」放送の概要 | |
・構成 | ベル+フレーズ |
・行程 | カラカラベル+(まもなく)列車が近づきます、ご注意下さい。 |
・凡例 | 日豊型A声 日豊型声-2 日豊型B声 |
・主な駅 | 柳ヶ浦 吉富 など |
・説明 | 導入時期は全く不明であり、国鉄時代クラスのものではないでしょうか。相当古いことには違いありません。 日豊本線の閑散地域で使用されていましたが、「九州広域」放送や「汎用型」放送に切り替えられる傾向があります。また、2002年までは鹿児島本線の北部エリアでも使用されていました。 独特の“列車が近づきます”フレーズが印象的ですが、一部に“まもなく列車が…”、と付いているものもあります。 ベルの種類や再生スピードは駅毎にバラバラで、殆ど統一感がありません。 男性放送は存在せず、上下線共に女性放送のみ。 声が2種類あり、Aは地方スーパーのエスカレーター等でも使用されている高い声(声優不明)。Bは、旧主要放送や阪和線でも使用されている“旧カンノ声”。 |
▼ 日向型放送 | |
・本サイトでの略称-「日向型」
「日向型」放送の概要 | |
・構成 | ベル+フレーズ |
・行程 | サイレン+(まもなく)列車が近づきます、ご注意下さい。 |
・凡例 | --準備中-- |
・主な駅 | --準備中-- |
・説明 | --準備中-- |
▼ 地方主要型放送 | |
・本サイトでの略称-「地方型」
「地方型」放送の概要 | |
・構成 | ベル+フレーズ |
・行程 | A:遊園地ベル+まもなく上り(下り)列車が参ります、ご注意下さい。 B:遊園地ベル+まもなく上り(下り)列車が参ります、黄色い線の内側におさがり下さい。 |
・凡例 | A:男性 女性 B:男性 女性 |
・主な駅 | A:出水(鹿児島本線時代)など B:延岡など、一部の日田彦山線 |
・説明 | 導入時期は不明であるが、いかにも!な感じの古さと、昔の遊園地で使われていそうなベルが特徴。 ジャクロスの導入されていない、九州内の地方主要都市に現在でも僅かに残り、日田彦山線の田川でも確認した。 放送は接近のみの簡易的なもので、通過放送はない。基本は男性が上り、女性が下りホームを担当するが、折り返し時などは例外も発生する。 声優は男女ともに、遊園地ベル+この組み合わせのみ。 フレーズは、上記A・Bの2種類確認。 |
▼ メロディー型接近放送 | |
接近時に、九州独特の「ベル」ではなく、メロディーが流れる少数型。放送は駅によって統一感がない。
■パルティータ
概要 | |
・構成 | メロディー+フレーズ(+ベル) |
・行程 | F・Y:パルティータ+まもなく列車が近づきます、ご注意下さい。 K-1:パルティータ+まもなく、上り電車が参ります。危ないですから、黄色い線の内側へおさがり下さい。(×2)+カラカラベル K-2:パルティータ+まもなく、下り列車が参ります。危ないですから、黄色い線の内側へおさがり下さい。(×2)+カラカラベル |
・凡例 | F:男性 女性 Y:男性 女性(実際はそれぞれ3回鳴ります) K-1:男性 K-2:女性(収録ミス、途中で切れてます) |
・使用駅 | F:船小屋(2011年3月11日をもって「カンノ型」放送へ変更) Y:吉野 K:九産大前(2002年12月に「九州広域」放送へ変更) |
・説明 | 導入時期は不明。 メロディーは、バッハ作の「パルティータ第1番変長調メヌエット」の2番が流れます。凡例のFとYは音程違いです。また、Fは九産大前駅のみに存在したロングヴァージョン。 船小屋、九州産大駅では使用終了し、現在は吉野駅のみ流れます。 船小屋駅のものは、2010年時の訪問で確認しましたが、上下線の同時入線の場合は、上りホームのメロディー(3回目)がバグり、長さは変わりませんが、曲の後半部が聞ける珍現象が発生します。下り線はそのような現象はありません。 放送はF・Yが「日豊型」の“近づきます”フレーズである簡易型。声優は、男性が「地方主要型」のもの、女性は「日豊型A」のものです。 Kの放送の男性のみ“列車”ではなく“電車”と喋る馬頭らしいフレーズです。それぞれ曲の間に2回アナウンスし、男性は「地方主要型」のもの、女性は「日豊型B」の声優です。 |
■黒い瞳の(現在不使用)
概要 | |
・構成 | メロディー+フレーズ+ベル |
・行程 | H-1:黒い瞳の+まもなく、上り電車が参ります。危ないですから、黄色い線の内側へおさがり下さい。(×2)+カラカラベル H-2:黒い瞳の+まもなく、下り列車が参ります。危ないですから、黄色い線の内側へおさがり下さい。(×2)+カラカラベル S-1:黒い瞳の+まもなく、列車が参ります。危ないですから、白線の内側へおさがり下さい。+カラカラベル S-2:黒い瞳の+まもなく、下り列車が参ります。危ないですから、白線の内側へおさがり下さい。+カラカラベル |
・凡例 | H-1:男性 H-2:女性 S-1:女性 S-2:女性 |
・使用駅 | H:東福間(2003年2月に「九州広域」放送へ変更) S:笹原(2002年12月に「九州広域」放送へ変更) |
・説明 | 導入時期は不明。また、現在は全て不使用。 メロディーは、ロシア民謡の「黒い瞳の」が流れていました。凡例のHとSは音程違いです。また、H-2は出だし部分がアレンジされています。東福間・笹原の2駅にしか存在しておらず、笹原駅のものは音量が激小で、放送を含め殆ど聞こえませんでした。 放送は東福間が男性のみ“列車”ではなく“電車”と喋る馬頭らしいフレーズです。それぞれ曲の間に2回アナウンスし、男性は「地方主要型」のもの、女性は「日豊型B」の声優です。笹原は女性声のみですが、上りホームのS-1放送には“上り”と言いません。 全てにおいて、統一感が全く見られなかったメロディー・放送です。 |
■埴生の宿
概要 | |
・構成 | メロディー+フレーズ(×4) |
・行程 | 埴生の宿+列車が近づきます、ご注意下さい(メロディー中×4回)。 |
・凡例 | 女性 |
・使用駅 | 石打ダム |
・説明 | 導入時期は不明。 メロディーは、イングランドの民謡「Home Sweet Home」(楽しき我が家)であり、明治時代に里見義氏により和訳・歌詞付けされている。和訳版では「埴生の宿」と称され、今日では日本の歌百選のひとつとなっている。 ヴァージョン違いなどは存在せず、接近メロディーとして流れるのは日本でも三角線・石打ダム駅のみ。また、上下線で同一放送を用いているため、放送も同じもの。 学校のチャイムのような鐘の音で構成。フルフレーズで流れ、終わり部分はアレンジされている(実際は3番まで曲があるが、和訳版は2番まで)。そしてブチ切りで終わっているのも特徴。 放送は“列車が近づきます”の簡易的なフレーズを4回繰り返す。声は「日豊型」放送のA。 |
■周防
概要 | |
・構成 | メロディー+フレーズ |
・行程 | A-1:(メロディーのみ) A-2:(メロディーのみ) H:メロディー+まもなく○番線に、△△方面、□□、○○行きが到着いたします。この列車は△両編成で到着いたします。黄色い線の内側にさがってお待ち下さい。 C,N:メロディー+まもなく列車が参ります、危ないですから、黄色い線の内側へおさがり下さい。 |
・凡例 | A-1:周防A-1 A-2:周防A-2 H:周防H C:周防C-男 周防C-女 N:周防N-男 女性 |
・使用駅 | A-1:幡生 長府 小月 小野田 宇部 A-2:小野田 H:防府 C:筑前大分 N:西屋敷 |
・説明 | 導入時期は不明。また曲名も不明であり、山陽本線の西端を中心に九州の一部の駅でも鳴っている。 Aは接近時にメロディーが鳴るだけのもので、幡生〜宇部間の5駅限定メロディー。A-2は早回しヴァージョンの小野田駅6番線のみで使用しています。 Hは防府駅の接近放送の冒頭で流れます。また、この駅の放送は方面や行き先を言う詳細放送であり、到着時にも別のメロディーが流れます。メロディーは他のエンドレス形式ではなく終端型。詳細な放送を含め、全て防府駅だけのオリジナル。声優は旧カンノ声で女性のみ。 CとNは九州内で使用されているもの。「汎用型」で用いられる放送を含め同じ形式、西屋敷のものはメロディーが長い。また通常、男性が上り・女性が下りホームの声優を担当するが、西屋敷に限っては上下逆になっている非常に稀なケース。 |
▼ ベル・サイレン | |
・本サイトでの略称-「ベル・サイレン」
「ベル・サイレン」の概要 | |
・構成 | - |
・行程 | - |
・凡例 | ベル:ベルA ベルB ベルC ベルD ベルE ベルF ベルF ベルG など サイレン:サイレンA サイレンB など |
・主な駅 | ベル:椎田 下山門 島田 など サイレン:水城 肥前鹿島(いずれも消滅) |
・説明 | 放送やメロディーが導入される国鉄時代から接近・発車時等、汎用的に用いられているもの。 PTCなどの自動放送が導入されている現代でも、全国各社で聞くことが出来る。特に、九州・西日本エリアでは、甲高い電子音の「カラカラベル」が多く用いられている。 音色や種類、長さに統一感は殆ど無い。スピーカーやアンプが異なっただけで、全く違ったものに聞こえるので、一概に同じものを探し出すのが難しい。上記に載せたものはほんの一部で、まだまだ様々な音色あることだろう。本サイトでは分類に至って、困難に近いと判断したため、単純に「ベル」と統一して紹介しています。 サイレンは、ハンドマイク等に内蔵されていそうな緊急時に鳴る音。ところが、掲載している2つのファイルは、実際に駅の接近ベルとして使用されていたものである。何も知らない人が駅で電車を待っていて、いきなりこんな音が鳴り出したら、さぞ驚くだろう。アニメの光線銃の効果音でもあるまい。現在は単独としては消滅しているが、水城に使用されていたサイレン音に近いものは、日向地方で放送と共に現役である。 |
▼ 踏切警報音 | |
・本サイトでの略称-「踏切」
「踏切」の概要 | |
・構成 | - |
・行程 | - |
・凡例 | 踏切A |
・主な駅 | 西牟田 南瀬高 南荒尾 南宮崎 |
・説明 | 放送やメロディーが導入される国鉄時代から接近時等、汎用的に用いられているもの。 PTCなどの自動放送が導入されている現代でも、全国各社で聞くことが出来る、言わずと知られている踏切の警報音。 音色はほぼ統一だが、鉄道事業者によっては、さらに電子音っぽくアレンジされているものや、1音が短いものなど以外に様々。(西武鉄道は独特ですね) 九州内で用いられているものは、上記の凡例がほとんど。一部の幹線に1音が短く、低音のヴァージョンも存在している。 本サイトで紹介しているものは、駅のホームスピーカーから接近時に鳴るものであり、駅近隣踏切や、渡り線にある踏切音を載せる時は、別個注意書きしています。 |
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