駅・町情報 |
糟屋郡篠栗町の東端、八木山バイパスの分岐点の国道201号線に沿って、筑前山手駅はある。
駅情報を文章で表すならば、何ら普通にある地方の単式ホーム駅なのだが、ここの場合は大きく異なる。列車での訪問ならばあまり違和感がないかもしれないが、国道を走行していると、高架線路脇に何やらビルが建っている異様な姿がある。お世辞ではないが、決して綺麗とは言えない、コンクリートむき出しのペンシルビルがそびえ立つ。真下まで来て“筑前山手駅”と言う看板を見るまでは、それが駅だとは思うまい。
例えは大げさかもしれないが、実際に地上からホームまでは5〜6階相当の階段だけのビルが存在し、高架線むき出しにホームが設けられている。このような異様な形になったのは、そもそも篠栗線延伸(1968年5月25日に篠栗〜桂川間)時には、城戸(現:城戸南蔵院前)・九郎原・筑前大分の3駅にて同時開通開業予定だったが、地元からの要望により設置が決定。山間部の地形と高架線区間の場所柄、やむなくこのような形になってしまった模様。今日では開業以来、階段の多い駅としては九州一を誇り続けている。
開設に際し要望があったとは言え、決して集落の多い地域とも言えず、目の前を高速で自動車が通過する数の方が圧倒的に多いと思う。何度も訪問しているが、一度も人間と遭遇したり乗降している光景を見たことが無く、駅前に自転車を置くスペースすら無い場所柄、利用者は乏しいとも言えるだろう。ちなみに特急・快速などの優等列車は通過し、日中は毎時1本しか停車していない。また、篠栗の霊場巡りとして周辺に寺院が点在しているが、利用者の大半はお隣の城戸南蔵院駅で乗降している。
かつて駅前には商店兼簡易委託の切符売り場があった。また現在では無人駅であるが、開業以来駅員が出札業務を行っていたかは定かではない。今日の切符の購入は、ビルの入り口に券売機が設置されている。以前訪問した時には、ビルの最上階に設置してあったが、破壊による犯罪で人目の近い下層へ移したとか。とは言えども、道路からでも2m程の高さに位置し、決して安全とも言い難い。
2001年の、篠栗線・筑豊本線の一部電化・福北ゆたか線への愛称改称時に併せて、中央部入り口付近が嵩上げされている。しかし、列車が停車しているのは中央からズレた場所であり、飯塚寄りに乗車していたものならば、中央部まで歩いた挙げ句、100段近い階段を下らなければならない。なんとも乗客に優しくない駅である。
ちなみに同線内で唯一、離合設備をもたない駅である。構造上やむを得ないが、ラッシュ時の対応として便数向上を図れないのは、同線の単線区間と離合設備が整えないのが原因かもしれない。 |
|
放送・放送設備 |
電化開業時に放送設備が整い、単式ホームながらも上下線別に標準放送があります。
初回訪問時から現在に至り、日によって放送の速度が異なる謎仕様です。
同線区内の他駅同様、各2回ずつ鳴りますが、冒頭ベルが短いのが特徴である。
|
|